廃車の手数料

車の不具合が多くなってきたり、走行距離が長くなってくると「そろそろ廃車かな」と考える人は多い事でしょう。
しかし、廃車となると気になるのが費用です。

車を廃車にする際に掛かる費用は、どれくらいが相場なのでしょうか。
そこで今回は、廃車時の手数料の相場や、車をお得に処分する方法などについて解説したいと思います。

廃車をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

車を廃車する際の手数料の科目

車を廃車する際には、どのような手数料が必要なのでしょうか。
科目ごとに見ていきましょう。

陸運局で支払う廃車手数料

まず、廃車とは自動車をスクラップにする事ではありません。
車の戸籍である車籍を抹消する事が廃車なのです。

そして、廃車手続きには2種類あるという事を解説します。
車をスクラップにしてもう2度と乗れないようにしてしまう場合は永久抹消登録、しばらく乗らないがいつかまた乗る可能性があるという場合には、一時抹消登録を行います。

この2つの大きな違いは、車を解体するかどうかという点です。
普通車の場合、どちらの廃車も管轄の陸運局にて手続きを行います。

陸運局等で支払う廃車手数料は、以下の通りです。

廃車の種類 手数料 印鑑証明書発行手数料
一時抹消登録 350円 300円程度
永久抹消登録 300円程度

登録手数料は、手数料納付書に350円の検査登録印紙を貼る事で支払います。
手数料納付書は陸運局窓口に備えており、印紙は構内の売店等にて販売しています。

永久抹消は、車を解体してからでないと申請が出来ません。
登録手数料は無料ですが、解体費用やレッカー代などが別途掛かるという事を覚えておきましょう。

軽自動車の廃車に掛かる手数料

普通自動車と軽自動車は、実は管轄が異なります。
軽自動車の廃車の場合は、陸運局ではなく軽自動車検査協会で手続きを行ってください。

永久抹消登録を解体返納、一時抹消登録を一時使用中止と言います。
一時使用中止の場合にのみ、登録手数料が350円掛かります。

こちらも納付書に検査登録印紙を貼る形で支払います。
解体返納では手数料は掛かりません。

しかし、普通自動車と同様、解体費用が別途掛かるという事を覚えておきましょう。
   

リサイクル料金

車を廃車にする際には、手数料とは別にリサイクル料金が掛かる事があります。
リサイクル料金とは、2005年に施行された自動車リサイクル法(使用済自動車のリサイクルと適切な廃棄に関する自動車リサイクル法)という法律に基づいています。

廃車となった車の廃棄物を、環境や人体に影響が無いよう適切に処分するため、車の所有者には処分に関する費用の負担が義務付けられました。
リサイクル料金の支払いは、1台の自動車に対して1回のみです。

現在では、車を新車で購入する際に支払います。
しかし、古い車などで廃車時に支払いが済んでいない場合、最終所有者が支払わなくてはならないのです。

リサイクル料金の金額を見てみましょう。

軽自動車 およそ8千円
普通自動車 およそ1万円
外国車 およそ2万円

このように、車の種類によって異なります。
支払いが済んでいるかどうかは、リサイクル券を確認すれば分かります。

車検証ケースを確認してみましょう。
リサイクル券が見当たらない場合や紛失してしまったという場合は、自動車リサイクルシステムというサイトからも確認が可能です。

自動車リサイクルシステム:http://www1.jars.gr.jp/k/kdis0010.do

「あなたの車のリサイクル料金は?」という項目をクリックし、必要事項を入力すれば情報を見る事が出来ます。
リサイクル券を紛失してしまった方は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。

解体費用

先程もお話しましたが、永久抹消登録や解体返納等の廃車手続きを行う場合には、事前に車を解体する必要があります。
ですから、解体費用が掛かる場合があります。

解体はスクラップ業者に依頼をしますが、その手数料の相場はおよそ1~3万円のようです。(※業者によって異なります。)
また、不動車の場合は引き取ってもらう際にレッカー代が掛かる事もあります。

スクラップ業者を選ぶ際は、事前に必要な費用やレッカーサービスがあるのか等、確認をしておく事をおすすめします。
なお、解体業者の中には、解体費用は掛からず買取として5,000円程度のお金を支払ってくれる業者もありますので、問い合わせてみましょう。

廃車を代行してもらう場合の手数料の相場

廃車を代行してもらう場合の手数料の相場

廃車の手続きは、自分で行う他にも業者や専門家に代行を依頼するという方法もあります。
廃車代行の手数料の相場や、代行を依頼するメリット、デメリットについて解説していきます。

ディーラーや中古車販売店

ディーラーや中古車販売店は、車を売るというイメージが強いかと思いますが、廃車代行もしてくれます。
ただし、買取という意味では、廃車寸前の車はこれらの業者にとっては価値が無いため、査定額は付かないでしょう。

また、数万円程度の廃車代行手数料が請求される事がほとんどです。
ただし、次に乗る車を購入するディーラーや中古車販売店に依頼するなら、サービスで代行してくれるケースもあります。

廃車後に買い替えをお考えの方は、契約前に交渉をしてみましょう。
ディーラーでの廃車代行については、こちらの記事で詳しく解説しています。

行政書士

町の法律家である行政書士も、廃車手続きの書類代行をしてくれます。
国家資格を持つ法律の専門家ですから、安心して依頼する事が出来るでしょう。

行政書士に廃車手続きを依頼した場合の手数料は、事務所によって異なります。
相場は5,000円~10,000円程度です。

ただし、行政書士が代行出来るのは、書類上の手続きまでというデメリットもあります。
車の解体などについては、自分でスクラップ業者等に持ち込んで行わなければなりません。

永久抹消や解体届出の場合には、2度手間になってしまうでしょう。

解体業者(スクラップ)業者

永久抹消や解体届出の場合、解体業者(スクラップ)業者に直接持ち込むという方法もあります。
手数料やサービスは業者によって異なります。

ただ、運搬費やスクラップ費用などを合わせると、およそ2~6万円程度の費用が掛かるでしょう。
無料でレッカーをしてくれる業者や、鉄の再利用分の値を付けてくれる業者を選ぶとお得です。

ただし、解体業者は、そもそもディーラーや業者などから廃車の解体を請け負っています。
個人の持ち込みでは依頼を受けてくれない業者もいますので注意しましょう。

また、解体業者は車をスクラップする事はしてくれますが、抹消登録等の書類上の手続きの代行はしてくれません。
廃車手続きは自分で行わなければならないのです。

そのため、行政書士と同様、2度手間になってしまうでしょう。
スクラップ業者への持ち込みをお考えの方は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。

廃車買取業者

廃車手続きの代行を依頼するなら、おすすめは廃車買取業者。
廃車を専門に扱う買取業者では、書類上の手続きや不動車のレッカー移動、車の解体など全てを手数料無料で代行してくれるのです。

さらに、ディーラーや中古車販売店で値が付かなかった廃車寸前の車でも、高値で買い取ってくれる可能性があります。
廃車の部品取りや鉄のリサイクル、海外への輸出などで利益を得られる廃車買取業者ならではの特徴です。

気になる方は、廃車の前に一括査定などを利用して、車の査定額を調べてみると良いでしょう。
ただし、中には登録した途端に複数の業者から電話が鳴りやまない等のトラブルの可能性があるサイトも存在します。

選ぶなら、登録後のやり取りが1社だけで良い、メールでのやり取りを選べるなど、配慮されたサイトがおすすめです。

廃車買取は手数料が掛からない理由

廃車買取は手数料が掛からない理由

廃車手続きの代行を依頼するのなら、廃車買取がお得だというお話をさせて頂きました。
しかし、なぜ廃車買取業者は手数料が掛からないのでしょうか。

まず、私たちから見ると価値の無いように見えるボロボロの車でも、まだ使用できる部品もあります。
廃車買取業者は、廃車にした車のまだ使える部品を販売する事で利益を得ています。

残ったフレーム部分も、鉄のリサイクルによって利益を上げる事が出来るのです。
また、日本製の車は海外で非常に人気があります。

国内で廃車となるような車も、海外では高値で売れる事は珍しくありません。
海外に販売ルートを持つ業者は、輸出によって多くの利益を得られます。

このような理由により、廃車の手数料を無料にしても十分な価値があるのです。

廃車買取の注意点

廃車買取業者は、代行手数料が無料で更に買取価格が付く可能性があるため、非常にお得と言えます。
しかし、中には悪徳業者も存在しますので、注意点について把握しておきましょう。

まず、後述しますが、廃車時には様々な還付金を受け取る事が出来ます。
買取業者に廃車手続きを依頼するという事は車を売るという事ですから、還付金は業者に支払われるのです。

この還付金を、自社の利益として無断で懐に入れてしまう業者が存在します。
また、還付金込みの査定額を提示し、まるで高価買取であるように振る舞う業者もいるのです。

信頼できる買取業者は、還付金の内訳を明瞭に開示し、しっかりと支払ってくれます。
業者を選ぶ際には、還付金の取り扱いについて確認しましょう。

次に、廃車の種類についても注意が必要です。
永久抹消されたと思っていた車が一時抹消しかされておらず、中古車として売られていたというケースもあります。

車を解体してほしいのなら、しっかりと永久抹消登録を依頼しましょう。

手数料が掛かるだけじゃない!廃車時の還付金

廃車時の還付金

自動車を廃車にするには、手数料が掛かるばかりであはありません。
還付時に条件に合った場合、税金などの還付金が戻ってくるのです。

ここでは、還付金の種類や詳細について解説していきます。

自動車税

自動車税は、毎年4月1日時点での車の所有者に課せられる税金です。
5月に1年分をまとめて先払いします。

廃車時に期間が残っている場合、その分が還付されるのです。
自動車税の還付手続きは、廃車登録を行うと自動的に完了します。

ですから、特に必要な手続きはありません。
ただし、軽自動車はもともと自動車税が安いため、還付制度がないので注意しましょう。

自動車税の還付については、こちらの記事で詳しく解説しています。

重量税

自動車重量税も、廃車の際に還付される税金の一つです。
重量税は、車検の際に車検期間に合わせて2~3年分をまとめて先払いします。

永久抹消登録、解体届出時に1ヶ月以上期間が残っている場合、その残存期間分の重量税が還付されるのです。
ただし、一時抹消登録では還付は受けられません。

重量税の還付申請は、永久抹消登録、解体届出の際に同時に行います。
申請書類が一体となっているので、同時申請の項目に丸を打ち、必要事項を記入しましょう。

その際に、マイナンバーや還付金の振込口座を記入する必要があります。
マイナンバーカードや通知カード、口座情報の分かる物を持参してください。

重量税の還付申請は、後から単独では出来ませんので、忘れないように行いましょう。
重量税の還付については、こちらの記事で詳しく解説しています。

自賠責保険

自賠責保険は、必ず入らなくてはならない強制保険です。
こちらも重量税と同様、車検の際に車検期間に合わせて2~3年分をまとめて支払います。

廃車の時点で1ヶ月以上期間が残っている場合には、残存期間分の還付金(返戻金)が戻ってくるのです。
一時抹消・永久抹消ともに還付があります。

ただし、自賠責は税金のように、廃車手続きの際に同時に申請が出来ません。
加入している保険会社で、別途解約の手続きをする必要があるのです。

残存期間の計算も、廃車手続きの完了日ではなく、保険の解約日から計算されます。
抹消登録が済んだら、速やかに自賠責保険の解約を行いましょう。

自賠責保険の還付については、こちらの記事で詳しく解説しています。

廃車の手数料のまとめ

廃車の手数料のまとめ

車を廃車にするには、様々な手数料が掛かります。
廃車の種類によっても異なりますが、自分で行う場合は陸運局で支払う手数料があります。

また、車の解体やレッカー代なども必要です。
業者に依頼する事も出来ますが、ディーラーや中古車販売店では数万円程度の代行手数料が掛かるでしょう。

行政書士や解体業者では代行手数料が掛かる上、それだけでは完了しないため別途手間や費用が掛かります。
最も手間が掛からずお得なのが、廃車買取業者です。

書類の代行はもちろん、レッカーや解体など、全てを手数料無料で代行してくれます。
優良業者では還付金もしっかりと支払ってくれますから、安心して任せる事が出来るでしょう。

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