長年乗った車をそろそろ廃車にしようと考えた時、自動車税を支払っていないという事に気づく場合があります。
また、車検が切れた状態で長年放置されており、支払いを忘れていたというケースもあるでしょう。
そんな税金未納の状態では、廃車には出来ないのではないかと思っている人もいるかと思います。
しかし、自動車税が未納のままでも、車を廃車にする事は可能です。
そのまま廃車手続きもせずに放置していては、税金は掛かっていく一方ですから、なるべく早めに廃車にする事をおすすめします。
そこで今回は、自動車税が税金未納の車の廃車方法や注意点などについて、詳しく解説したいと思います。
税金未納の車でも廃車に出来る
冒頭でもお話したように、税金未納の車でも廃車にする事は出来ます。
もう乗らない車に自動車税が掛かり続けるのは非常に無駄ですから、なるべく早めに廃車手続きを行いましょう。
とは言え、税金未納の車の廃車にはいくつか注意点もあります。
手続き方法なども合わせて、ここから詳しく解説していきます。
車検で確認できる自動車税の税金未納
自動車税が税金未納かどうか、分からないという場合もあるでしょう。
そのような場合は、車検で確認が出来ます。
自動車税の納税証明書は、車検の際の必要書類の一つだからです。
税金未納のままでは車検証の発行はされません。
ですから、車検がまだ残っている車の場合、少なくともその車検を受けた時点までの税金未納は無いという事です。
もしもそれ以降の分を滞納していた場合は、次回の車検時にまとめて支払う事になります。
また、廃車にするほどの状態の車は、そもそも車検が切れているケースもあるでしょう。
その場合、税金未納である事もありますが、車検が切れていても納税通知書や督促状は届いているはずですので確認しましょう。
自動車税は地方税です。
普通車なら各都道府県の税事務所、軽自動車なら市町村役場に問い合わせる事でも、税金未納になっているかどうかの確認が出来ます。
廃車にしても税金未納の自動車税は払う
税金未納の自動車でも、廃車手続きさえすれば滞納分の支払い義務はなくなると思っている人もいるかもしれません。
しかし、廃車と納税義務と言うのは基本的に関係は無いのです。
車が無くなっても、滞納した分の自動車税は後からしっかりと支払わなくてはなりませんので覚えておきましょう。
滞納分の自動車税の支払い方については、詳しく後述します。
とは言え、廃車手続きを済ませれば、それ以降の課税が無くなります。
どちらにせよ、早めに廃車にした方が良いという事は間違いないでしょう。
自動車税には時効がある
廃車にしたからと言って、税金未納分の支払い義務はなくならないというお話をしましたが、実は自動車税には時効があります。
自動車税の時効は5年です。
しかし、それは課税当局から5年間、何の連絡も来なかった場合に限ります。
督促状などが送られて来れば、その時点からまた5年という計算がされます。
ですから、通常では自動車税の時効とは、現実的なものでは無いのです。
しかし、だからと言って督促状をひたすら粘り強く放置すれば良いという訳ではありません。
2年以上税金未納の状態で放置した場合、財産差押の措置が取られる事もあるのです。
車が差し押さえられると「嘱託保存」という措置が取られ、廃車手続きや売却が出来なくなります。
そうでなくとも、遅れれば遅れるだけ延滞金が加算されるので、なるべく早めに支払った方が良いでしょう。
未納分の自動車税の支払い方法
未納分の自動車税は、早めに支払った方が良いというお話をしてきました。
廃車手続きを自分で行うのか業者に依頼するのかによって、未納分の自動車税の支払い方法も異なります。
自分で行う場合は、廃車手続きのために陸運支局に行く時に、隣接する自動車税事務所で支払いをします。
業者に任せる場合は特に手続きは必要ありません。
廃車手続きの完了後、2～3ヶ月で未納分の請求納付書が送られてくるので、それを使用して支払いましょう。
ただし、税金未納の期間によってはすぐに支払う事が出来ない場合もありますので後程解説します。
税金未納の車の廃車は、業者に任せてしまうのが手間が掛からないのでおすすめです。
自動車税が税金未納の車の廃車手続き
自動車税が税金未納の車は、廃車手続きがスムーズに出来ない場合もあります。
廃車方法や様々な注意点について、解説していきます。
今年度分のみの税金未納の場合
今年度分のみの税金未納の場合は、先に通常通りの廃車手続きを行いましょう。
廃車には、車検証とナンバープレートを返すだけの一時抹消登録と、車を解体してスクラップにしてしまう永久抹消登録の2種類の方法があります。
軽自動車では一時使用中止・解体返納と言います。
運輸支局(軽自動車検査協会)でこれらの抹消手続きを行いましょう。
廃車手続き完了後、未払い分の請求書が都道府県税事務所(軽自動車の場合は市区町村)から届きます。
その請求書を使って未納分の支払いをすれば良いのです。
自動車税は年度途中で廃車にした場合、納める額は4月から廃車にした月までの分となります。
抹消登録の手続きが遅れれば遅れるほど、本来払わなくてもいい分まで払う事になるのです。
廃車した月によって支払金額は異なるため、早めに手続きをしましょう。
もしもスクラップ業者などの都合で月や年度をまたいでしまいそうな場合は、先に一時抹消登録をしてしまうというのも良い方法です。
一時抹消登録をした日の次の月からは、自動車税の納税義務は無くなります。
廃車手続きの詳しい方法については、こちらの記事で解説していますので参考にしてみて下さい。
2年以上税金未納の場合
税金未納が2年以上に及んでいる場合は、すぐに廃車に出来ない可能性があります。
それは、嘱託保存つまり差押えの措置を取られている場合です。
嘱託保存になっている車は、勝手に廃車はもちろん、名義変更すら出来ません。
自動車税の滞納分を全額納付し、嘱託設定登録を解除してもらわない限り廃車手続きは出来ないのです。
しかし、この場合、車自体の解体をする事は問題なく出来ます。
先に解体する事で解体報告日を確定し、自動車税事務所に相談をする事で課税を止めてもらえる場合があるのです。
課税を止めてもらえたら、未納分の自動車税を完済して廃車手続きをしましょう。
一括で支払う事が難しい場合は、分納や緩和措置などの方法もありますから、放置するのではなく税務署等に相談をしてみましょう。
先に届いた請求書で払ってしまった場合
税金未納の車の廃車に伴う、延滞金の支払い方について説明して来ました。
しかし、廃車手続きを行うより先に、届いた請求書や督促状で税金を払ってしまったという場合もあるでしょう。
そのような場合でも、全く問題はありません。
むしろ、請求書等で支払いがすぐに出来るのなら、それが一番良いでしょう。
請求書で支払いが完了している場合は、そのまま通常通りの廃車手続きを行いましょう。
軽自動車税の税金未納について
軽自動車に課せられるのは、自動車税ではなく軽自動車税です。
自動車税は一律で10,800円と普通車に比べて安価と言えますが、中には税金未納の人もいるでしょう。
軽自動車の場合も、税金未納でも廃車手続きは出来ます。
軽自動車検査協会で一時使用中止、または解体返納届を出しましょう。
ただし、こちらも嘱託保存となっている場合には廃車や名義変更などは出来ません。
軽自動車税を完済するか、先にスクラップにして納税義務を止める措置を取りましょう。
軽自動車税の納付先は都道府県ではなく市町村です。
税金未納に関する相談の際には、県庁や県税事務所ではなく市町村役場で行いましょう。
また、軽自動車は廃車手続きや必要書類なども普通車とは異なります。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
税金未納で車検切れの車でも廃車できる
税金未納で更に車検切れの車でも、廃車にする事は出来ます。
ただし、車検が切れているという事は公道を走れません。
積載車を利用するか、仮ナンバーを取得する必要があります。
積載車を利用すると、約1～3万円ほどの費用が掛かるでしょう。
仮ナンバーとは、検査や登録など特定の目的に限定して許可される、最大5日間の臨時のナンバープレートです。
最寄りの役所や運輸支局で申請をすると、すぐに交付されます。
仮ナンバー申請に必要な書類
・自賠責保険証の原本(申請日が有効期限内のもの)
・申請者の印鑑(認印)
・自動車臨時運行許可申請書(受付窓口にて配布)
・仮ナンバーを取得する車を確認するための書類（次のいずれか一つ）
「車検証」「抹消登録証明書」「譲渡証明書」「自動車検査証返納証明書」「登録事項証明書」「通関証明書」「予備検査証」「自動車保管場所証明」
仮ナンバー申請には、750円の手数料が掛かります。
また、車検がれている車は恐らく自賠責保険も切れていますので、仮ナンバー利用期間だけでも加入する事を忘れてはいけません。
税金未納の車をきちんと廃車にすると還付金がある
税金未納の車でも、きちんと廃車にし支払いを済ませれば還付金が受け取れる場合があります。
還付金は廃車手続き完了日以降の期間で計算されますから、早めに廃車にした方が多く返ってくるのです。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
自動車税
自動車税は、毎年4月1日に課税され、翌年3月までの1年分を5月にまとめて支払います。
廃車の際に期間が残っている場合、その分を還付してもらえるのです。
永久抹消・一時抹消の両方で還付金があります。
ですから、税金未納分を完済し、更に次年度の自動車税を支払ってから廃車にした場合、3月までの分の税金が還付されます。
自動車税の還付については、廃車手続き(抹消登録)を行うと自動的に行われるので、特に別途手続きは必要ありません。
ただし、軽自動車税はもともと金額が安いため、還付制度がないのです。
つまり、軽自動車は4月や5月に廃車にした場合、次年度の自動車税をほぼ丸っと余分に支払う事になります。
廃車にする時期についてはしっかりと検討しましょう。
自動車税の還付については、こちらの記事で詳しく解説しています。
重量税
重量税は、車検を受ける際にその期間に合わせて2～3年分をまとめて支払います。
永久抹消登録・解体届出の際に、車検期間が1ヶ月以上残っている場合は、残存期間分の重量税の還付を受けることが出来るのです。
ただし、一時抹消登録だけでは還付はありませんので注意しましょう。
自動車を解体した後に行う永久抹消登録・解体届出の手続きと同時に申請が出来ます。
これらの申請書と一体になっているので、手続きは難しくありません。
しかし、重量税の還付申請だけを、後日単独で行う事は出来ないため、必ず廃車手続きと同時に行っておきましょう。
還付申請には、所有者のマイナンバーカード又は、マイナンバーが分かる物＋身分証明書が必要です。
振込先の口座の情報が分かる物も持参しなければなりません。
重量税の還付については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。
自賠責保険
自賠責保険は、どんな車でも加入している強制保険です。
交通事故の際に被害者を救済する目的で、人ではなく車に掛かっています。
重量税と同様、車検の期間に合わせて2～3年分をまとめて支払うのが一般的です。
廃車の際に、車検の有効期限が1ヶ月以上ある場合、残存期間分の保険料が還付されます。
自賠責保険は、一時抹消・永久抹消の両方で還付があります。
ただし、税金ではなく保険ですから、廃車手続きの際にまとめて申請は出来ません。
加入している保険会社の窓口に直接出向いて、解約の手続きをする必要があるのです。
還付金額の計算は、廃車手続きの完了日ではなく自賠責保険の解約日だという事も覚えておきましょう。
自賠責保険の還付については、こちらの記事で詳しく解説しています。
任意保険
任意保険に加入している人は多い事でしょう。
任意保険は自賠責とは違い、車ではなく人に掛かる保険です。
内容にもよりますが、対物や運転手自身にも適用されます。
車の廃車に伴い、任意保険を解約する場合は残りの期間によって返戻金があるでしょう。
また、別の車に乗り換える場合は、保険の内容によって差額が発生する事があります。
安くなる場合は、その差額分が返金されるかと思います。
保険会社や内容によっても異なりますので、廃車をお考えの際は、事前に加入している保険会社に問い合わせておきましょう。
税金未納の車の廃車は業者に任せるのがおすすめ
ここまで、税金未納の車の廃車についてお話してきましたが、廃車手続きは自分でやると非常に手間も時間も掛かります。
解体や積載車・レッカー移動については数万円もの費用も掛かりますから、税金未納分の支払いと併せると大きな出費になるでしょう。
そこで、税金未納の車の廃車は業者に任せるのがおすすめなのです。
業者に依頼をすれば手間はもちろん掛かりませんし、優良業者では還付金もしっかり返って来ます。
また、廃車専門の買取業者なら、廃車に掛かる手続きを全て無料で代行してくれます。
廃車を部品ごとにバラして販売したり、残った本体は資源としてリサイクルするため、廃車寸前の車でも引取りではなく値を付けて買い取ってくれるのです。
気になる方は、一括査定などを利用して、ネットで査定だけでも受けてみると良いでしょう。
税金未納の車の廃車のまとめ
自動車税を税金未納の車でも廃車にする事は可能ですが、納税義務が消えるという訳ではありません。
廃車手続きが完了したら未納分の請求書が送付されてきますから、速やかに支払いましょう。
一括で返済が出来ない場合には、分納などの措置もあります。
そのため、放置するのではなく、相談してみる事をおすすめします。
しかし、2年以上未納である場合、嘱託保存といって差押えの措置がされている場合があります。
差押え中の車は廃車や名義変更が出来ません。
未納分を完済するか、先に自動車の解体をして自動車税を止めてもらうよう税事務所等に相談しましょう。
未納分の税金をきちんと支払えば、様々な還付金が受け取れる事もあります。
税金は必ず支払わなくてはならないものですから、滞納する前にしっかりと支払いましょう。
税金未納の車の廃車は、廃車買取業者に任せるのがおすすめです。
面倒な廃車に関する手続きを無料で代行してくれるのはもちろん、廃車寸前の車にも値を付けてくれる事も珍しくありません。
自動車税や重量税などの還付金もしっかりと返ってきますから、安心して任せる事が出来るでしょう。
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