車間距離と法律

昨今ニュースでも目にする機会が多い「あおり運転」
走行を邪魔する目的で車間距離を詰めるのはもちろん悪質ですが、正しい適正距離を守れていないと、知らぬ前に法律違反になってしまう事があります。

また、日本経済新聞によれば、今後は「あおり運転罪」が新設されて厳罰化される流れが決まっているようです。
自分の身を守るためにも、この機会にぜひ本記事を読んで車間距離についての正しい知識をおさらいしていきましょう!

出典:「あおり運転罪」新設へ 免許即取り消し、警察庁-日本経済新聞

車間距離と法律!道路交通法には何て書いてある?

車間距離について定められている法律は、道路交通法です。
車間距離を詰め過ぎて危険な状態だと判断された場合には、「車間距離保持義務違反」という罪に問われます。

詳しい内容は、以下の通りです。

第四節 追越し等
(車間距離の保持)
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
(罰則 第百十九条第一項第一号の四、第百二十条第一項第二号)

引用:e-GOV「道路交通法」

とは言え、上記の文章を読んでも具体的にどう注意すればいいのか分からないという方も多いと思います。
とにかく最初は、「道路交通法」と「車間距離保持義務違反」という名称の2つだけを頭に入れておけばOKです。

詳しい内容は、この次から紹介していきます。

適正な車間距離の考え方

車間距離で罪に問われないようにするためには、適正な車間距離への考え方を知っておくのが重要です。
その考え方とはズバリ、「前方の車が急ブレーキを踏んでも、安全に停車できる車間距離を保てているか否か」になります。

もっと具体的に言うと、法律上の明確な決まりがありません。
しかし、前方車両との距離感は以下のように保っておくのが安全だと言われています。

  • 速度が60km以下の場合:速度から15m引いた数だけ、車間距離をあける
  • 速度が60km以上の場合:速度と同じ数字だけ車間距離をあける
走行中の車の速度 前方車両との距離
40km 約25m
50km 約35m
60km 約45m
70km 約70m
80km 約80m

では次に、適切な車間距離が分かった所で、前方車両との距離をどのように確認すれば良いのかを確認していきましょう。

車間距離を確保する方法や2秒ルール

走行中に車間距離を確認する方法は、2つあります。

1.道路のセンターラインにある白い破線で確認

白い破線の長さは、法律で以下のように定められているので、前方車両との車間距離を確認する際に役立ちます。

破線の長さ 次の破線までの区間
一般道路 5m 5m
高速道路 8m 12m

つまり、一般道路で前方車両と3つ分の破線分の距離が空いていたら、25mの車間距離が取れていると判断できるのです。

2.2秒ルールで確認

「前の車が通過した地点を自分の車が何秒後に通過するか」といった事を基準に車間距離を測る方法もあります。
何秒後であれば安全なのかといった明確な決まりはありませんが、最低でもゆっくり数えて2秒以上空いている事が推奨されているようです。

法律上で車間距離保持義務違反の対象になるのは?

法律上で車間距離保持義務違反の対象になるのは

法律上の車間距離保持義務違反の取り締まり対象は、実は明確に決まっていません。
なぜなら、適切な車間距離の既定値がないため、「このラインを過ぎたら罪に問われる」といった決まりがないからです。

ただし、ケース・バイ・ケースではあるものの、以下のような状況では取り締まりの対象になる可能性が非常に高くなります。

  • 前方車両の運転手から警察に被害の届け出があった場合
  • 警察の取締区間で、車間距離を明らかに詰めた危険運転をしている場合

最も「適正な車間距離の考え方」や「車間距離を確保する方法や2秒ルール」を意識して慎重に運転をしていれば、取り締まり対象になる確率はかなり減らせるはずです。

では次に万が一、車間距離保持義務違反で警察に捕まってしまった場合にはどうなるのかを説明していきます。

反則金や違反点数

車間距離保持義務違反で警察に捕まってしまった場合には、法律上以下のような罰則を受ける事になります。

違反場所 違反点数 反則金
一般道路 1点 6,000円
中・大型車7,000円
二輪車6,000円
高速道路 2点 9,000円
中・大型車12,000円
二輪車7,000円

一見、違反点数や反則金の額だけを見ると、「思ったよりも重い罰には問われないんだな…」と思うかもしれません。
しかし、違反点数によって免許が加点されると、自動車保険の料金が契約内容によっては年間数万円以上高くなるケースもあるので注意をしてください。

また、反則金を期日内に納めなかったり悪質な運転だとみなされたりした場合には、反則金よりも罰則が重い罰金刑に問われる事があります。

罰金や違反点数

車間距離保持義務違反で罰金刑に処される場合には、法律上以下のような金額が徴収されます。

  • 一般道路:5万円以下の罰金
  • 高速道路:3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

~中略~
一の四 第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為(高速自動車国道等におけるものに限る。)をした者

第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

~中略~
第三項、第二十六条(車間距離の保持)

引用:e-GOV「道路交通法」

ちなみに、反則金と罰金では法律上でも罪の重さが異なってくるので注意が必要です。

【反則金と罰金の違い】

反則金 行政処分で軽度の交通違反(前科がつかない)
罰金 刑事処分で悪質だと判断された交通違反(前科がつく)

警察の取り締まり件数が1.8倍に増加!

車間距離保持義務違反は近年取り締まりが強化されており、2017年と2018年では取り締まり件数に1.8倍もの差が出たようです。

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
一般道路 9,033件 7,571件 6,690件 6,139件 11,793件
高速道路 548件 602件 935件 994件 1,232件
総計 9,581件 8,173件 7,625件 7,133件 13,025件

出典:平成30年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について-警察庁

これは、あおり運転への危険性が増している事を危惧した警察庁が、2018年6月より取り締まりを強化した結果が数字に現れています。
具体的には通常のパトロール業務に加えて、下記のように取り締まり内容を変えているようです。

  • ヘリコプターも導入して高速道路を監視
  • 高速隊のパトカーとの連携

冒頭でも紹介した「あおり運転罪」と呼ばれる法律が新設されるのもそう遠くはないので、ドライバーには今後より慎重な運転が求められます。

法律的に悪質な車間距離の詰め方をされた時の対処法

法律的に悪質な車間距離の詰め方をされた時の対処法

自分自身が車間距離を詰めないように注意をして運転していても、逆に自分が法律的に悪質なあおり運転の被害に遭ってしまうケースもあります。
あまりにもしつこい場合には、迷わず警察に110番通報するのがおすすめです。

安全な場所から110番通報

危険な運転者に追われるなどした場合は、サービスエリアやパーキングエリア等、交通事故に遭わない場所に避難して、ためらうことなく警察に110番通報をしてください。

引用:警察庁

また、万が一の時のために、前方と後方にドライブレコーダーを付けておくと、通報時の証拠提出に役立ちます。
とは言え、最初は安全を確保するためにも、あおってくる相手に対しては道を譲ってしまうのが1番です。

詳しい対処法については、以下2つの状況に分けて紹介していきます。

複数車線を走行中の場合

複数車線を走行中に法律上悪質だと判断される車間距離の詰め方をされた場合には、落ち着いて以下のように対処しましょう。

1.左側に車線変更して道を譲っているのを知らせる

まずは、あおってくる相手を先に行かせてしまいましょう。
ただ先を急いであおっているだけなら、道を譲れば危険にさらされる心配はなくなります。

2.車線変更してもあおられる場合は自分の運転に集中する

車線変更をしてもまだあおってくる場合には、前方車両との車間距離を詰めすぎないよう自分の運転に集中してください。
あおられるのを意識しすぎて、他の車と衝突するのを防ぐためです。

3.最後は安全な場所から110番通報

相手がしつこい場合には、やはり安全な場所に車を停めて110番通報するのがおすすめです。

  • あおり運転された場所
  • あおり運転してきた車両のナンバーや車種の確認
  • どちらの方面に走っていったのか

上記などの経緯をまとめて、警察に被害を伝えてください。

片側1車線を走行中の場合

片道1車線を走行中に法律上悪質だと判断される車間距離の詰め方をされた場合には、「複数車線を走行中の場合」でお伝えした「2.」と「3.」を実践してください。

出来ればコンビニやスーパーの駐車場など第三者がいる場所に車を停めてから、警察に通報すると安心です。
あまりある事ではないと思いますが、車を停めたあなたを悪質なドライバーが追っかけてくるのを防ぐ際に役立ちます。

とにかくあおり運転に影響されて、自分自身が事故を起こさないよう努めましょう!

車間距離と法律のまとめ

車間距離と法律のまとめ

それでは最後に、車間距離と法律についておさらいしていきます。

車間距離と法律について

・車間距離について定めている法律は、道路交通法
・車間距離の詰め過ぎで危険だと判断されると、「車間距離保持義務違反」という罪に問われる
・前方車両が急ブレーキを踏んでも衝突が避けられるくらいの車間距離を空けておく意識を持つのが重要

法律上で車間距離保持義務違反の対象になるのは?

・前方車両の運転手から警察に被害の届け出があった場合
・警察の取締区間で車間距離を詰めた危険運転をしている場合
→現在は明確な法律上の決まりはない
・対象者は基本的に反則金の支払いになるが、悪質だと判断されると罰金刑になり最大で3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる

悪質な車間距離の詰め方をされた時の対処法

・車線変更をして道を譲り、あおってきた車を先に行かせる
・自分自身は前方車両との距離に注意
・それが難しい場合には、安全な場所に車を停めて110番通報をする

車を運転している限り、被害者にも加害者にもなり得る車間距離の詰め方。
ぜひこの記事で、どうしたら安全な運転ができるのかを今一度確認していきましょう!

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