コネクテッドカー

私達の身の回りの多くのモノは、技術の進歩によってここ数年で非常に便利になりました。
そして最近、技術の進歩で変化しつつあるものが1つあります。

それが次世代の車とも呼ばれているコネクテッドカーです。
今回の記事では、このコネクテッドカーとはどんな車なのか、また今の車と比べてどのようなメリットがあるのか詳しく解説していきます。

また、今後このコネクテッドカーの市場がどのように進んでいくのかその動向についても解説します。

コネクテッドカーとは?総務省の定義をチェック

コネクテッドカーがどんな車なのか説明すると、総務省のホームページで以下のように定義されている車の事です。

コネクテッドカーとは?

ICT端末としての機能を有する自動車

ICT端末とは、情報通信技術を搭載した端末の事で私達の身の回りではスマホやPCなどがこの端末に分類されます。
簡単に言えば、これまでスマホなどでしか利用できなかった情報通信技術を活用した機能を持つ車という事なのです。

コネクテッドカーの主なメリット

コネクテッドカーの主なメリット

コネクテッドカーには、以下のように様々なメリットがあります。

・緊急通報システムによって人命を救いやすい
・テレマティクス保険と呼ばれる新しい形の保険の普及
・盗難車両追跡システム
・AI技術によって危険の予測が出来る
・自動運転と組み合わせれば事故を大幅に減らせる
・LTEなどを活用した情報の共有や運転アシスト
・カーシェアリングサービスの普及

それぞれのメリットについて、1つずつ詳しく解説していきます。

緊急通報システム

最初に解説するコネクテッドカーによるメリットは、緊急通報システムによるものです。
この緊急通報システムは、既に欧州で「eCall」という名前のシステムで普及しています。

事故が起きた時の緊急通報や事故場所の特定、事故の状況の伝達などを情報通信技術でスムーズに行う事などが目的です。
このシステムを搭載したコネクテッドカーが日本で普及すれば、これまでよりも事故への対応が早くなり救われる命も増える大きなメリットがあります。

ちなみに、先程ご紹介したeCallというシステムは既に2018年4月から車への導入が義務付けられているほど高い評価を受けているのです。
そのため、日本でも近い将来、同じようにこの緊急通報システムが実現・普及される事が予想されています。

テレマティクス保険

テレマティクス保険はまだ日本では馴染みのない形式の保険で、ある基準から保険料を決定する保険の事。
以下のように、コネクテッドカーに搭載されている情報通信技術を使った2つの方法のどちらかで保険料を決定します。

種類 方法
PAYD型 一定期間の走行距離に連動した算出方法
PHYD型 ブレーキの回数や加減速の動作など運転特性に連動した算出方法

この内、特にPHYD型は安全に運転するように心掛けるだけで保険料が安くなるメリットがあります。
さらに、その安全運転の意識によって事故が減る事も期待されているのです。

ちなみに、日本では現在ソニー損保がこのPHYD型の保険サービスを提供しています。
そして、今後コネクテッドカーが普及すればするだけ、より多くのPHYD型の保険サービスが登場するでしょう。

盗難車両追跡機能

現在でも盗難に関するシステムを搭載している車はありますが、コネクテッドカーではそれよりも高いレベルのシステムがあります。
その内の代表的なシステムの1つが盗難車両追跡機能です。

この機能を使えば、車両が盗難にあった事が分かった時点から即座に場所を把握、その位置をその後も追跡できます。
同時にエンジンを始動させないようにする機能を持っているコネクテッドカーもあるのです。

このように、盗難をこれまでよりも確実に防ぐための力がある事もコネクテッドカーの大きなメリットの1つとしてあります。

AI技術による危険の予測

現在コネクテッドカーに関わる業界では、AIを活用したある技術が開発されています。
その技術こそ、AIに車の走行時に関わる危険な事例を学習させる事で、実際に危険が起こる数秒前に危険をある程度予測させる技術なのです。

この技術を搭載したコネクテッドカーであれば、事前にシステムから注意を促されます。
そのため、ドライバーだけの走行よりもさらに安全に運転できます。

それだけでなく、車の内部で起きている異常を検知するAIによる技術もあるのです。
このように、コネクテッドカーには走行時や車内部で起きている異常や危険を予測・察知する事で安全性を高めるメリットもあります。

自動運転との統合で交通事故が減る

先程説明したように、コネクテッドカーのAI技術を活用すれば、ドライバーがより安全に運転でき事故を減らせます。
そして、その1つの上の段階としてコネクテッドカーと自動運転が統合すれば、さらに多くの交通事故を減らす事が可能だと言われているのです。

そもそも現在起きている事故の約9割は、ドライバーのよそ見や速度超過などの過失が原因と調査で明らかになっています。
自動運転が統合されれば、その人による過失がなくなります。

9割全てではありませんが、今より確実に事故を減らせると考えられているのです。

LTEや5Gなどを活用した情報の共有や運転アシスト

コネクテッドカーには、スマホのような情報通信技術が搭載されています。
その技術をLTEや5Gなどのモバイル網で活用する事で、車同士が周辺情報をリアルタイムに共有できるようになるのです。

その情報共有によるアシストを受ければ、ドライバーだけでは予測出来ない自転車などの飛び出しや道路上の落下物などの危険情報を事前に把握できます。
さらに近くの道路の混雑状況なども正確に分かるため、今よりもより安全に、より効率的なドライブが実現できるのです。

このように、コネクテッドカーはそれぞれの車がサポートし合う事でもメリットを得られるようになっています。

カーシェアリングサービスの普及

コネクテッドカーは盗難車両追跡機能がある事からも分かる通り、今車がどこにあるのか把握する事が容易にできます。
さらに、離れた位置からでもスマホを使って自分の車をロックしたり、他の人にデータを送る事でその人のスマホから車を使う事もできるのです。

そのため、コネクテッドカーが多くなれば、他の人に車を貸し出すカーシェアリングサービスが行いやすくなります。
そして、今よりも普及すると考えられています。

その結果として、使わない車を無駄にせず、また他の場所に移動した時にも気軽に車をレンタルできる無駄のない便利な環境を作る事ができるのです。

各自動車メーカーのコネクテッドカーの車種や技術の特徴

各自動車メーカーのコネクテッドカーの車種や技術の特徴

日本を代表する各自動車メーカーが既に販売しているコネクテッドカーの車種やそれに関連する技術の特徴は、以下の3つのメーカーについてです。

  • トヨタ自動車
  • ホンダ
  • 日産自動車

どの自動車メーカーも同じコネクテッドカーを開発しています。
しかし、やはりそれぞれに強みと言える大きな特徴があります。

トヨタ自動車

トヨタ自動車では、既に「T-Connect」というコネクテッドサービスを展開しています。
このT-Connectでは、緊急時の通報システムや遠隔監視による車の盗難対策、ルート予測など多くの機能を専用の通信機やスマホなどから利用できるのです。

現時点でのコネクテッドサービスが搭載されている車種は、2018年6月発売の新型クラウン・カローラスポーツ以降の全車種で利用可能となっています。
ちなみに、トヨタ自動車はコネクテッドカーに関連するサービスをより充実させるために、2018年にはソフトバンクと共同で新会社を設立しました。

これまでにe-Paletteというモビリティサービス専用の車両を発表。
2020年頃までには、その車両を使う事業展開を1つの大きな目標として取り組んでいます。

ホンダ

現時点では、ホンダはコネクテッドカーやコネクテッドサービスを提供していません。
しかし、コネクテッドカーに関する技術開発は非常に力を入れています。

・ソフトバンクとコネクテッドカーに必要な5Gを共同研究
・スムーズな交通を実現するコンセプトで開発された情報共有システムの実証実験
・コネクテッド技術が活用された緊急自動通報システムの試験運用
・コネクテッドカーやサービスにより力を入れるため事業企画部や開発部を新設

上記以外にも、ホンダは2020年までにコネクテッド機能を搭載したバイクの開発も目標として掲げています。
その他の具体的な計画等は今の所は発表されていません。

しかし、ホンダも他メーカーに負けないよう、着実に技術開発等に取り組んでいると言えるでしょう。

日産自動車

日産自動車では、トヨタ自動車と同様に現時点で既に「NissanConnect」と呼ばれる独自のコネクテッドサービスを提供しています。
このコネクテッド技術のサービスで提供されているのは、ナビの地図の自動更新やリモートドアロック、カーライフマネジメントなどです。

日産自動車では、2022年度までに日産関連のブランドの新型車両で上記のサービスが利用できるように、全てコネクテッドカーにする事を目標と掲げています。
それに加え、ルノーや三菱自動車と合同でコネクテッドカーに関わるデータを管理しやすくするためのクラウドシステムの導入も考えているようです。

コネクテッドカーの今後の動向

コネクテッドカーの今後の動向

コネクテッドカーは既にお話した通り、既に欧米では関連する技術やサービスが広く普及しています。
しかし、日本ではまだコネクテッドカーの概念そのものも登場したばかりで、一般的にはまだまだ知られていません。

そこで、これからの日本でこのコネクテッドカーという次世代の車はどのような存在になるのか、その今後の動向について解説していきます。

富士経済は2035年に1億台超の市場になると予測

コネクテッドカーは富士経済の調査によると、2014年時点で167万台、2020年で3435万台まで市場規模が拡大すると予測しています。
2035年には、新車の9割超がコネクテッドカーとなり、合計で1億台以上の市場へ成長するとも予想しているのです。

この市場の成長は日本だけでなく、現在リードしている欧州や北米はもちろん、中国や韓国、東南アジアでも同じように短期間で大きく成長すると考えられています。

ハッキングや法規制など大きな課題への取り組み

コネクテッドカーは、成長と合わせて克服しなければいけない問題が主に2つあります。

1つはハッキングなどのサイバー攻撃です。
コネクテッドカーは、ICT端末、つまりスマホなどと同じような機能を持っているので、ハッキングされると第三者に情報や車を盗まれる可能性があります。

もう1つは、法規制に関してです。
技術が発展すれば、近い将来コネクテッドカーに自動運転が統合される可能性があります。

そうすると、AIによる事故の責任など既存の法律では対処できない問題が多く出てくるのです。
このように、コネクテッドカーが普及する事で新たに生まれる問題があります。

そのため、今後は技術の開発が進むに連れて、これらの問題に対しての取り組みも同時進行で進んでいくと考えられています。

コネクテッドカーEXPOに参加できればより深く知れる

中にはより深く今後について学びたい人もいるでしょう。
そのような人は、定期的に開催されているコネクテッドカーEXPOをおすすめします。

このEXPOでは、コネクテッドカーに活用できるのセキュリティソリューションやビッグデータの解析技術、テレマティクスサービスなどが展示されるのです。
また、コネクテッドカー業界で活躍する人のセミナーなどを受ける事もできます。

ただし、来場の対象者が自動車メーカーや部品メーカー、法人ユーザーなどに限定されていて、それ以外の方はEXPOへ参加する事ができません。
そのため、EXPOへの参加に興味がある方は一度公式ページをチェックして、対象者の条件を満たしているかチェックしてみてください。

URL:https://www.connected-car.jp/ja-jp/about/exhibit-visitor.html

コネクテッドカーのまとめ

コネクテッドカーのまとめ

コネクテッドカーに関する情報を簡単にまとめます。

【総務省が決めるコネクテッドカーの定義とは?】

ICT端末としての機能を持っている車の事を指す

【コネクテッドカーによる主なメリット】

・緊急通報システムで救われる人命の数が増える
・テレマティクス保険により安全運転の意識が高まり、さらに保険料がお得になる
・レベルの高い盗難車両追跡機能により盗難を抑制する
・AI技術により走行中の危険を予測
・自動運転との統合が出来れば、大幅に交通事故を減らせる
・LTEや5Gなどのモバイル網を活用した情報共有により安全で効率的な運転が実現
・カーシェアリングサービスが普及しやすい

【各自動車メーカーのコネクテッドカーの車種や特徴的な技術など】

  • トヨタ自動車
  • ・コネクテッドサービス「T-Connect」を既に展開中
    ・2018年6月発売の新型クラウン・カローラスポーツ以降の全車種で利用可能
    ・2020年頃までにe-Paletteというモビリティサービス専用車両を使う事業展開を目標とする
  • ホンダ
  • ・現時点ではコネクテッドカーやサービスを提供してはいない
    ・ソフトバンクとコネクテッドカーに必要な5Gを共同研究を進めている
    ・2020年までにコネクテッド機能を搭載したバイクの開発も目標としている
  • 日産自動車
  • ・「NissanConnect」と呼ばれる独自のコネクテッドサービスを提供
    ・2022年度までに日産関連のブランドの新型車両で上記サービスに対応させる
    ・ルノーや三菱自動車と合同でデータ管理のためのクラウドシステムの導入を検討

【コネクテッドカーの今後の動向】

  • 2035年には9割以上がコネクテッドカーとなり、1億台以上の市場に成長すると予測
  • 市場の成長に合わせてハッキングや法規制などの問題にも取り組む流れが出る

※より細かい情報は参加制限があるもののコネクテッドカーEXPOで学べる

今回ご紹介してきたコネクテッドカーは今はまだ認知度は低いのです。
しかし、世界の状況や現在のメーカーの取り組みなどを見ると今後急激に普及し、10年や20年以内にはごく一般的な車両になると言えるでしょう。

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