廃車の時に取り外して良い部品は？違反になるケースに注意

車を廃車にする際に、まだ使用出来るパーツを取り外して次の車でも使用したいと思う人は多い事でしょう。
また、価値のある部品をオークションなどで売りたいと考えている人もいるかと思います。

しかし、廃車にするからと言って、何でも部品を取り外して良いという訳ではありません。
実は、許可なく勝手に取り外してしてしまうと、違法になる場合もあるのです。

そこで今回は、廃車の際に取り外して良い部品と、違反になるケースについて詳しく解説しましょう。

廃車の部品取りとは？

廃車寸前の状態の車から、使えそうなパーツを取り出す事を「部品取り」と言います。
部品取りしたパーツは一般的に、再利用されたりオークションなどで販売されます。

不動車や故障車など、1台の車としての価値はほぼ無くなった車でも、まだ十分に使える部品があるケースは多いのです。
解体業者や廃車買取業者などは、部品取りをしてパーツごとに売却する事で利益を得ている場合がほとんど。

ですから、動かなくなったからと言って、すぐに丸ごとスクラップにするというケースは意外に少ないのです。

廃車時に部品取りしても良いパーツ

解体業者のように、個人でも部品取りをしてそれを売れば、利益になるのではないかと考える人は少なくないでしょう。
しかし、廃車にするからと言って、何処もかしこも部品取りをして良いという訳ではありません。

どのようなパーツなら自分で部品取りしても問題がないのでしょうか。
まず、オーディオやカーナビ、ETC等は自分で取り外しても問題はありません。

また、ナンバープレートも自分で取り外す事が出来ます。
ただし、ナンバープレートは取り外し後に自由に使用しても良いという訳ではありません。

廃車の際には必ず、陸運局や軽自動車検査協会へ返納しなくてはならないと決まっています。
勝手にナンバープレートを付け替えて公道を走る事が出来てしまうと問題だからです。

それでは、廃車時に部品取りしても良いパーツについて、詳しく見ていきましょう。

オーディオやカーナビ

自分で廃車の部品取りをしても問題がないのが、オーディオやカーナビ類です。
中古車販売店などに展示してある車には、オーディオやカーナビの部分がスッポリと抜けている物もよく目にします。

安価な物ではありませんから、使えるのであればなるべく取り外して次の車に搭載したいものですよね。
ただし、標準装備のカーナビは、部品取りをしても他の車に付ける事が出来ない物がほとんどですので注意が必要です。

また、複雑なつくりのカーナビは、自分で取り外す際に誤って壊してしまう場合もあります。
業者などに取り外しを依頼する事も出来ますが、数千円程度の工賃が掛かる場合が多いのです。

また、その他にもタイヤや電動シート、ロッドアンテナなども、自分で部品取りをしても問題はありません。
部品取りの工賃について、ある業者の例を少しまとめてみました。

部品	作業時間	工賃
オーディオ	約30分	約3千円
カーナビ(インダッシュタイプ)	60分～80分	8千円～1万円
カーナビ(オンダッシュタイプ)	60分～120分	約1万円
カーナビ(ポータブルタイプ)	40分～80分	5千円～1万円
タイヤ	10分～20分	2千円～3千円
電動シート(1却あたり)	30分～40分	2千円～3千円
ロッドアンテナ	30分～60分	2千円～3千円

※上記はあくまでも事例であり、依頼する業者によって金額や時間は異なる場合があります。

オーディオは最近ではほとんどの車に搭載されており、価値が高いパーツです。
廃車の際には、取り外しておく事をおすすめします。

カーナビのインダッシュタイプとはオーディオスペースに収納されているもの、オンダッシュタイプはダッシュボードの上に取付けるタイプです。
オンダッシュタイプの中でも、取り外して外に持ち運び可能なポータブル型のナビもあります。

これらは、それぞれ部品取りに掛かる時間も料金も異なります。
カーナビもまだまだ需要があり価値が高いパーツですから、出来れば廃車の際には取り外しておきましょう。

ETC

ETC(電子料金収受システム)も、廃車の際に自分で部品取りが出来るパーツの一つです。
最近では、ETCを搭載している車は多くなってきていますね。

ETCは廃車の前に取り外しておかないと、乗せたまままの状態でスクラップされてしまいます。
次に車に乗る際に必要になる可能性もありますから、出来るだけ取り外しておく事をおすすめします。

ETCは自分でも比較的簡単に部品取りが出来ますが、面倒な場合や心配な時には業者に依頼する事も出来ます。
業者に依頼した場合の料金の相場は3千円前後、作業時間は30分程度です。

しかし、廃車にするかどうかが未定で、まずは中古車買取業者に査定をしてもらうという場合には、取り外さずに査定に出しましょう。
ETC等の部品も、高額ではありませんがプラス査定の基準になる可能性があります。

社外品

愛車をカスタムして、部品を社外品に付け替えている人は少なくないでしょう。
ホイールやマフラー、サスペンションなど、ネット通販やオークションでも多くの部品が販売されています。

そのような社外品パーツも、廃車の際に自分で取り外す事が出来ます。
ただし、それは純正品があり、元に戻す事が可能な場合に限ります。

社外品パーツを外した事によって、車の基本的な部品が欠損している状態ではダメなのです。
また、廃車にせず中古車として下取りに出す場合でも、社外品より純正パーツの方が査定額は高くなる傾向にあります。

どちらにせよ、車をカスタムして社外品パーツに交換する際には、純正品パーツをしっかりと保管しておく事が重要でしょう。

廃車時に部品取りすると違反になるケース

先ほどもお伝えしたように、廃車だからと言って無条件に何でも部品取りをして良いという訳ではありません。
廃車の解体に関しては、自動車リサイクル法という法律で定められています。

基本的に、廃車の部品取りには解体業の許可が必要なのです。
取り外す物によっては、個人的に行うと法律違反になるケースがあります。

どの部品が取り外して良くて、何がどのように違反になるのかと言う事を、しっかりと理解した上で部品取りを行いましょう。

自動車リサイクル法

2005年1月に施行された「自動車リサイクル法」という法律によって、自動車の解体は許可を得た業者にしか出来なくなりました。
しかし、先程説明したカーナビなどの部品は、なぜ個人でも部品取りが出来るのかという疑問が湧く人もいるかもしれません。

自動車リサイクル法がどのような法律なのか、見てみましょう。

使用済自動車から部品取りを行う場合は、解体業の許可が必要です。
解体業の許可なく使用済自動車から部品を取る行為は法律違反（無許可営業）になります。
自動車リサイクル法では、引取りを行った後にフロンを回収し、その後に部品取りを含む解体、という流れに沿って使用済自動車の処理をしていただく必要があります。
ただし、最終所有者の依頼を受けて、カーステレオ、カーナビなどを取り外す行為については、解体とは解釈されません。

【注意】
中古車として引き取った車両や会社所有の車両から部品取りを行う場合、その車両は、部品取りを行った後使用済自動車とする事が明白であるため、部品取りを実施した時点でその車両は使用済自動車扱いとなります。よって解体業の許可が必要です。

自動車リサイクルシステム（よくあるご質問から引用）：http://www3.jars.gr.jp/p/RPT09.nsf/0/4C0DAC3663BA56D7492572C30026A5D3?OpenDocument

この法律のポイントは、それが付属品の取り外しになるのか、解体にあたるのかという点です。
つまり、付属品の部品取りは問題なく出来ますが、それが解体となってしまうようなパーツは、勝手に取り外すと法に触れてしまいます。

違反した場合、5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金が課せられます。
法人の場合は1億円以下の罰金と、非常に厳しい罰則がありますので注意が必要です。

廃車の部品取りの前にした方が良い事とは？

そろそろ廃車にしようと考えた時、車自体にはもう価値がないと諦めて部品取りを考えた人もいるのではないでしょうか。
また、廃車にするのに費用が掛かるから、なるべく部品取りをしてその分を補填したいと思った人もいるかもしれません。

しかし、廃車寸前の車であっても、価値が無いと決めつけるのは早いでしょう。
部品取りを考える前に、まずは廃車専門の買取業者に査定を依頼してみる事をおすすめします。

廃車買取業者なら、例えディーラーや中古車買取業者で査定が付かなかった車でも、高値が付く可能性が十分にあるのです。
リサイクル法で解体の許可を得ている廃車買取業者は、廃車にする車を部品ごとにバラして、それを売る事で利益を得ています。

個人では出来ない範囲まで部品取りをする事が出来ますから、廃車寸前の車でも廃車買取業者にとっては非常に価値があるのです。
また、廃車に関わる抹消登録手続きや不動車のレッカー移動なども、全て無料で代行してくれます。

自分で部品取りをするよりも廃車に掛かる手間が省けて、高値で買取ってくれる廃車買取業者に依頼する方がお得と言えるのです。

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廃車と部品のまとめ

廃車の際には、自分で部品取りをして良いパーツと、法律で禁止されているパーツがあります。
自動車リサイクル法では、カーナビやオーディオなどの付属品の取り外しや、カスタムした部品を社外品から純正品へ戻す行為に関しては問題はないとしています。

しかし、それ以外の部品取りは解体と見なされ、許可なく行えば5年以下の懲役、又は1,000万円以下の罰金が課せられます。
部品取りを行う際は、自動車リサイクル法をしっかりと理解した上で行いましょう。

また、部品取りの前にした方が良いのが、廃車専門の買取業者に査定を依頼する事です。
部品取りをして利益を得ている廃車買取業者にとっては、廃車寸前の車でも十分に価値があります。

自身ではもう廃車だと諦めていても、廃車買取業者なら高値が付く可能性があるのです。
また、廃車の手続きや運搬なども、全て無料で代行してくれます。

廃車買取業者を探すなら、一括査定がおすすめです。
ネットで一度に数社の査定を受ける事が出来るので、業者同士が競い合い、より条件の良い業者を見つける事が出来るでしょう。